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リスクマネージメントとは、日本語では「危機管理」と翻訳されているようですが、確固たる明確な定義は無いようです。しかし、一般には、「企業(医療機関)を取り巻く各種リスクによって不測の事態が発生しても、迅速かつ適切に対応ができるように、最適の経常コストで最適な対応を図るもの」と位置づけられています。 |
リスクマネージメントの 具体的な手法は、元々アメリカで、企業自身がその必要性を痛感し、1950年代頃から開発がなされてきたようです。現在では、欧米のほとんど企業が先行き不透明な経営環境を反映して、リスクマネージャーを中心にトップの支持と理解のもと、真剣にリスクマネジメントの推進に取り組んでいます。医療機関においても1970年代に医療過誤訴訟の増加と医師賠償責任保険の保険料急騰や保険会社による保険の引き受け拒否により、混乱期(いわゆる Mapractice Crisisl)を体験し、この対応策としてリスクマネージメントの手法を導入し、現在では、医療の質の向上にまで対象を広げて展開しています。 |
病院におけるリスクマネージメントを考えた場合の「リスク」の範囲としては、本来、事業(経営)リスクまでも含むことになりますが、メディカルリスクマネージメントの範囲としては、医療従事者が関わることによる病院施設内での事故(いわゆる医療行為および施設管理に起因する事故)に限定しています。 |
一般的なリスクマネージメント手法に基づいて、病院におけるRM(リスクマネージメント)のステップを以下に示します。 |
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・インシデント(”ひやり”、”はっと”経験)レポートや過去の医療事故報告書
・患者の医療に対する満足度調査
・医療従事者間あるいは患者間とのコミュニケーション
・診療かごとに摘出される想定リスク など |
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・リスクマネージメント委員会(医療評価委員会)等で摘出されたリスクを分析評価
※「損失規模」は、通常、直接的な経済的損失を指すが長期的に経済的損失に結びつく病院の評判の低下も含まれており、一般には損失規模の大きいリスクの低減化を中心に最善策を検討する。
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リスクを処理する対応策としては、以下の2つが有効です。
1...リスクコントロール(損失の予防、軽減)
・インシデント&事故報告に対する予防策の検討
・医療事故防止委員会による再発防止策の検討
・事故防止マニュアルや紛争防止マニュアル等の作成とその励行
・QC、QA活動による医療関連業務の改善 など
2...リスクファイナンス(損失に対する資金計画)
・保険や自己負担など |
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・患者によるモニター評価
・各種リスクコントロール対策の院内検査 など |
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